Cloudflare 無料枠の落とし穴と課金開始日

一言まとめ

無料枠は「リクエスト数」より「1 リクエストあたりの密度」で先に詰まる。R2 マルチパートのクラス A、Workers の CPU 10ms、D1 のフルスキャンが三大要注意。「無料だったもの」が後から課金された前例もある。

作成 · 更新 · #cloudflare#free-tier#billing
目次 7 sections
  1. 01 密度で枯れる罠
  2. 02 「無料だったもの」が課金開始した履歴
  3. 03 無料プランで使えない・代替が要る設定
  4. 04 規約: 非 HTML コンテンツの CDN 配信
  5. 05 請求より「止まる」が怖い
  6. 06 関連
  7. 07 更新履歴

Cloudflare Workers はサーバー側のコード実行基盤、R2 はファイルを置くオブジェクトストレージ、D1 は SQLite ベースのデータベースサービス。

数値は 2026-04-17 時点。クォータの一覧は クォータ早見 にある。

密度で枯れる罠#

罠何が起きるか
R2 マルチパートのクラス A 爆発5GiB 超のアップロードはマルチパート必須で、各パートが 1 クラス A 操作。10GB を 10MB パートで分割すると約 1,002 操作 / ファイル。大ファイルだけで月 100 万のクラス A 枠を食い潰しうる
Workers CPU 10msリクエスト数が余っていても CPU 時間で詰まる。CPU タイムと Walltime(IO 待ち)は別物。複雑計算・画像処理・大きな JSON 解析で超過する
D1 フルテーブルスキャン行読取はスキャンした行数で課金される。インデックス未設計のフルスキャンは 500 万 / 日をすぐ消費する。性能と制限消費が直結する
KV の結果整合 + 1 書込 / 秒リアルタイムカウンタには不適。書込直後の読取が古い値を返しうる。強整合は Durable Objects(無料は SQLite)へ
Pages ビルド 500 回 / 月帯域は無制限だが、PR ごとにビルドするとすぐ上限。プレビューのスキップなどの最適化が要る
Workers 無料のサブリクエスト上限外部 50・CF 内 1,000 のまま(有料は撤廃済み)。Fan-out 並列フェッチや多数の R2 操作が構造的に制約される
Queues 24 時間保持コンシューマーが 24 時間以上止まると未処理メッセージが消える。DLQ 設計が重要
Bot Fight Mode の回避不可WAF カスタムルールの Skip で回避できず、決済サービス等の特定 IP を許可リスト化できない。回避は無効化か Pro 以上の Super Bot Fight Mode へ

「無料だったもの」が課金開始した履歴#

無料で始まった機能が後から従量課金に転じた前例。新機能を $0 前提で組むときは、代替手段を用意しておく。

日付できごと
2025-04-21Workers Logs が課金開始(無料は 200,000 / 日・保持 3 日)
2025-09-15Workers Workflows のストレージが課金開始。同日 Mirage 廃止(製品停止。設定 API の sunset は別日程)
2025-11-01Stream Media Transformations(5,000 変換 / 月)が課金開始
2026-02-11有料のサブリクエスト上限撤廃。無料は据え置き(実質、無料との差が拡大)

課金ではないが「無料の挙動が締まった」変更も同じ扱いで追う。

日付できごと
2024-08-05Auto Minify 廃止。ビルド時ミニファイへ移行
2025-02-10D1 の無料枠制限が強制適用に(以前は超過しても動くケースがあった)
2025-07-03Email Routing で SPF か DKIM 認証のない受信メールは転送されなくなった

無料プランで使えない・代替が要る設定#

数値は 2026-04-17 時点。設定の可否一覧は ゾーン設定早見 にある。

罠中身代替
Transform Rules / WAF の正規表現正規表現マッチは Business 以上。無料は固定文字列複数ルールに分ける(各 10 / 5 ルールの枠内)
WAF の Log アクション無料は Block・Managed Challenge など。観察目的の Log は使えないSecurity Events で結果を見る
Edge Cache TTL の最短 2 時間無料は 2 時間が下限(Pro 1 時間、Enterprise 1 秒)Cache-Control をオリジンで出し、Browser Cache TTL を Respect Existing Headers にする
Purge by Tag / Host / PrefixEnterprise のみ。無料は Everything と URL 指定URL 単位でパージする(キャッシュ差し替え)
Custom Error PagesPro 以上。無料は既定のチャレンジ・ブロックページWorkers で独自エラーページを返す
Polish / Image ResizingPolish は Pro 以上、Image Resizing は有料アドオンビルド時に最適化(Squoosh 等)。Images の変換 5,000 / 月
Argo Smart Routing有料($5 / 月 + $0.10 / GB)。WebSockets と非互換Tiered Cache(Smart Topology は無料)
Zone Lockdown / DNS record tagsPro 以上WAF カスタムルール / DNS record comments
HSTS preload無料で設定できるが、preload 登録後の解除が困難includeSubDomains と preload は慎重に
Email Routing の NDR配信失敗の非配信報告が送信者に届かない。厳格な DMARC(Reject)との競合で転送が弾かれる場合がある重要な受信は別経路も持つ

規約: 非 HTML コンテンツの CDN 配信#

旧 ToS §2.8「Limitation on Serving Non-HTML Content」は 2023-05-16 に撤廃され、サービス固有条件の CDN 専用セクションに置き換わった。

  • R2・Stream・Images など Cloudflare のサービスでホストした動画・大容量ファイルの CDN 配信は許容される。
  • Cloudflare 外(自前 VPS など)でホストしたコンテンツを CDN 経由で大量配信するのは引き続き約款違反。
  • ベンチマーク制限条項も同時に撤廃された。

請求より「止まる」が怖い#

支払い方法未登録の純粋な無料アカウントでは、超過時にエラーを返す設計なので「気づかぬ高額請求」は構造的に起きにくい。怖いのは上限に当たって機能が止まることで、請求ではない。ただし有料プラン併用・決済手段登録済みだと一部製品は超過課金される。

関連#

更新履歴#

  • 2026-10-08: Labs の調査資料(2026-04-17 調査)から Wiki に移行。
  • 2026-10-17: ローカル調査ノート(2026-04-17 調査)から、無料で使えない設定の表・非課金の締まり履歴・ToS §2.8 撤廃の節を追加。冒頭に定義を追加

出典

  1. https://developers.cloudflare.com/workers/observability/logs/workers-logs/
  2. https://developers.cloudflare.com/workflows/
  3. https://developers.cloudflare.com/stream/
  4. https://developers.cloudflare.com/workers/platform/pricing/
  5. https://developers.cloudflare.com/cache/plans/
  6. https://developers.cloudflare.com/rules/custom-errors/
  7. https://developers.cloudflare.com/email-routing/postmaster/
  8. https://blog.cloudflare.com/updated-tos/

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