Email Routing で独自ドメイン宛メールを Gmail で受ける
Cloudflare Email Routing(無料)で独自ドメイン宛のメールを Gmail に転送する手順と制約。受信だけなら Cloudflare 側の設定で完結し、独自ドメインからの送信は Gmail の「Send mail as」で補う。
調査時点: 2026-04。Email Routing はダッシュボード上では Email Service 配下に置かれている。
前提
- ドメインのネームサーバーが Cloudflare に向いている(Cloudflare が DNS を管理している)こと。外部 DNS のままでは使えない。
- 転送先の Gmail アドレスがあること。
受信だけの最短手順
- ダッシュボードでゾーンを開き、Email Routing(Email Service 配下)に進む。
- Onboard Domain → Add records and onboard で MX と TXT(SPF・DKIM)を自動追加する。競合する既存の MX レコードは Cloudflare が検出して警告するので削除する。
- Destination addresses に転送先 Gmail を登録し、Gmail に届く確認メールのリンクで verify する。
- Routing Rules → Create Address で
you@your-domain.com→you@gmail.comのルールを作る。 - 任意で
*@your-domain.com→ Gmail の Catch-all を有効にすると、任意のエイリアス宛がすべて届く。
Cloudflare DNS 配下なら DNS 反映は通常 5〜15 分。
転送先 Gmail の選び方
verify が通ることだけが必須。普通の @gmail.com、Google Workspace のアドレス、+ エイリアス付きも使える。同じ Cloudflare アカウントでルーティング中のドメインのアドレスは、ループ防止のため転送先にできない。
| パターン | 向くケース |
|---|---|
メインの Gmail に転送し、フィルタ(to:*@your-domain.com)でラベル付け | 個人・実験・ポートフォリオ用途。1 つの受信トレイで完結する |
| 独自ドメイン専用の Gmail アカウントを新設 | 屋号・仕事用で将来の共有や引き継ぎがありうる、プライベートと分離したい、Google Workspace 移行の前段 |
専用アカウントは分離性と引き換えに、ログイン切替や 2 段階認証の重複設定といった管理コストが増える。
届いたメールを Worker で処理する
Routing Rules のアクションに Send to a Worker を選ぶと、Email Worker の email ハンドラでメールを受け取り、条件付き転送・自動返信・外部 API へのフックなどができる。Workers 無料枠の範囲で動く。ただし Workers Free の CPU / メモリを超えると Email Worker が EXCEEDED_CPU で失敗する。
独自ドメインから送信もしたい場合
Cloudflare の送信機能(Email Sending)は Workers Paid が前提で、無料枠で完結しない(Email Service の構成)。無料で済ませる簡便策は Gmail の「Send mail as(他のメールアドレスから送信)」。
- Google アカウントで 2 段階認証を有効化し、App Password を発行する。
- Gmail の 設定 → アカウントとインポート → 他のメールアドレスを追加。
- SMTP サーバーは
smtp.gmail.com:587、ユーザー名は自分の Gmail アドレス、パスワードは App Password。 - 「エイリアスとして扱う」にチェックし、確認コードを入力する。
これで Gmail の作成画面で From を独自ドメインに切り替えられる。送信は Gmail の送信クォータ(1 日 500 通)に従う。
制約
- ルール 200 / アカウント、宛先 200 / アカウント、1 通 25 MiB まで。
- 2025-07-03 以降、SPF か DKIM で認証されていない受信メールは転送されない。マーケティング系や一部 SaaS の認証メールが弾かれることがある。
- 送信元ドメインが厳格な DMARC(
p=reject)だと、転送時に受信側で弾かれる場合がある。 - 配信失敗の非配信報告(NDR)は送信者へ転送されない。
- Email Routing だけでは独自ドメインからの返信はできない(返信は転送先 Gmail から発信する)。
- 無料枠に運用 SLA はない。業務用途なら Google Workspace などの有料サービスを検討する。
関連
更新履歴
- 2026-04-18: 初版(ローカル調査ノート)
- 2026-10-17: Wiki へ移植、概念ページとして再構成
出典
- https://developers.cloudflare.com/email-service/get-started/route-emails/
- https://developers.cloudflare.com/email-routing/setup/email-routing-addresses/
- https://developers.cloudflare.com/email-routing/limits/
- https://developers.cloudflare.com/email-routing/postmaster/
- https://blog.cloudflare.com/email-service/